ジェンダーワイズ

Gender-wise 世の中のニュースやトピックをジェンダー視点から読み解く

拝啓 土岐山協子様

 のっけから過激なタイトル?このところアクセス解析を見ると、なぜか、土岐山協子氏の名前で検索してくる方が急増中です。土岐山さんといえば、日本の乱れつつある食生活を直し、お出汁を取ろう、と素晴らしい推進活動をされてます。活動に直結する農業・漁業体験も本当に素敵です。しかし、前回の記事でも書きましたが、土岐山さんは女叩きの人。彼女のお出汁推進に至る動機に、女叩きが強く存在します。その女叩きに反感を持つ人が増えたのか、私のブログへわざわざ「土岐山 炎上」というキーワードで来訪されるようです。気が付いたら周りは敵ばかり?。なんともったいない、今からでも考えを改めてくださればと思います。なぜなら、私も、同じお出汁作りを多くの日本人にしてほしいと思う人間ですので。

 いくつか、私の考える視点から、土岐山協子氏に、ご意見申しあげます(自己発信にて)。

①ターゲットマーケティング
 おだしプロジェクトのターゲットマーケティングとは何でしょう。事業の目的は、一言で言えば「母親」にお出汁作りを推進することです。よって大きくは、母親がターゲット。但し、私のように出汁を取る母親は彼女から学ぶ必要は無く、ターゲットから外れます。もっと細かくは、料理の苦手な母親、新米主婦層がコアターゲットで、ロイヤルカスタマーになるでしょう。 
 では、喜ばせたい人は誰ですか?まさか、「おじさん」?謙虚な良妻賢母推進は旧態依然としたおじさんを喜ばす・・たちの悪いジョークでした(陳謝)。喜ばせる人はもちろんメインターゲットの母親ですよね。ポテンシャルが高い層です。彼女らを敵に回すのは得策ではない。
 土岐山さんは、一部の母親に対してかと思いますが、子供と向き合わず、添加物やカ化学調味料だらけの食事を与える親、または、無添加やオーガニックなどこだわるが、それが単に自己実現目的で、幼い子供がいるのに食のイベント開催のために子供を連れまわす母親を、しかも夫を一人残してけしからん、と言った批判をしています。お怒りはごもっともですが、これがあたかも主婦全般に対するメッセージのように映るのです。つまり、SNSやウェブでの意見を見る限り、彼女のターゲット層から反感を買い、事業体の入り口としてはあまり良くない事態になっているのです。まさか、謙虚で美しい女性だけを入り口でふるいにかけているのだ、ということは、食の伝道師として無いとは思いますが。
 子があろうとなかろうと、誰だって自己実現はしたい。幼いうちは我慢して、子供と一緒に家にいろ、と言われたら、あなたのお出汁教室(イベント)にだって参加をはばかれます。それでは顧客になりうる人達をたくさん失い、本当にやりたいお出汁の推進が出来なくなります。子供はたとえば参加者同士で面倒を見て助け合うとかはできないのか?保育士を雇う?サポートの中心役をどう買って出るか、昨今のママターゲットの事業は注力してます。または、夫が子守りをしてくれるというなら甘えて任せればいい。夫も肉親です。子育ては性を問わず実に楽しめるもの。つまり、おじさん達を敵に回しても、土岐山さんにはターゲットである母に顧客満足を与える必要があります。そうでないとお出汁教室は子育ての終わったおばさんばかりになってしまう。

※もし炎上マーケティング、説教マーケティングというニッチで革新的なものを目指しているなら話は別ですが。

 なお、大きなお世話ながら、私ならもっと顧客ターゲットを細かく分類化し、どこにポテンシャルがあるかを十分検証したいと思います。たとえば、婚活女性、共働き夫、オカマ(男装派)かもしれない(あくまで例)。

②データリサーチ

 データは、事業のコンセプトや推進内容に説得力を与えます。どんどん利用してほしいと思います。活動の動機になっている母親の問題について(ブロガーかさこの「好きを仕事に」ブログより)、土岐山さんはこうおっしゃいます。

 なぜ落ちこぼれの子供が生まれるのか。
その大きな原因は2つ。母親と料理が悪いということだ。
「素行の悪い子供の母親は必ずといっていいほど素行が悪い。
逆に優しい母親の家庭は優しい子供になる。
父親はあまり関係ない。母親が重要だ」

「落ちこぼれた子供のほとんどが食生活が乱れている。
問題のある子供は朝からカップラーメンを食べさせられたりしている。

 「落ちこぼれになる=母親が悪い=料理が悪い」と、仮設を立てるの大いに結構ですが、裏付けがないと納得しない層が必ず反論します。その三者の相関関係はデータ、または独自の調査でもいいので、数字で立証する必要がありますサンプル数は多めの方が定量調査としてはいいですが、サンプルの少ない定性調査もありです。(なお、「素行が悪い」「料理が悪い」というときは、どう悪いのか定義も明確にしたうえでの調査が必要です)。でないと、のちのち著名になられたときに、格好の突っ込みネタになります。

カスタマーサービス志向

 ここまでくると、ビジネスじゃなくてこれは社会活動なの、とおっしゃるかもしれませんが、事業体である限り、売上と利益は出さなければ維持できません。
 なんらかの活動をする以上は、顧客の意見には耳を傾ける姿勢を見せるべきです。全部取り入れる必要はありません。ゴミのような意見も多いでしょう。でも今後の活動に参考になる意見もあるでしょう。特にメインターゲットのホットな意見は今後に事業の成長に役立つもの。これがカスタマーサービスであり、企業であれば、フリーダイヤルやメールなど。何か意見があれば自分のブログで言え、というのは、趣味のブログの範疇であるならその主張もごもっともです。もちろん、アラシが多い昨今、すべてに対応は大変ですので、コメント欄の閉鎖も当然です。が、公の人であり、それで飯を食っている以上、「自分のブログで自己発信しろ」と、批判をする人をすべておかしい人のように扱うのは、むしが良すぎるというものです。

 以上、長くなりました。昨日からは「保田圭」での検索アクセスが増え、ちょっとほっとしつつ、上記につきまして何かありましたら、genderwiseといたしましては、遠慮く、忌憚のないご意見を頂戴したいと思います。